一人睨めっこ
 俺は部屋を出た。

「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!?」

 待て!!!
 俺は今、何をした!!?
 葛西に、何をした!!?

 多分、俺全身真っ赤だ……。

 な、何であんな……あんな……。
 うわぁぁー!!!!

『……発情期』

「がゃあ!!」

 突然の声に、俺は何とも言えない奇声をあげてしまった。

「じゅじゅじゅ淳っ!!」

 そこに居たのは淳だった。
 優兄と駿兄はまだ風呂だろう。

「もしかしてお前……まさか…………見た?」

『うん』

「どっ!? どこから!!?」

『全部。真琴が葛西にキ』

「うわあああああ!!!」

 俺は思わず淳の言葉を途中で止めた。

『いやらしー……』

 穴があったら入って鍵かけたい!!

「断じてそういった事じゃ無くて! いやあの葛西が――」

『私が何だって〜?』

「ぐゃわっ!!!」

 俺は本日二度目の奇声をあげた。
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