彼女の10円。
俺は2000円と共に夕暮れ時の玄関に放り出された。



どこ行けばいいんだよ…。



俺は取りあえず街をうろついてみる。



「ねぇ、一人?」



逆ナン!?



「まぁ…」

「アタシと遊ばない!?」



一人で歩いてる俺に、一人で声をかける女。



スゴい勇気だな。



「ごめんね♪俺、今から彼女とデートなんだ♪」



そう言うと女は俺から離れて行った。



君の勇気は尊敬するよ。



俺は1人でナンパなんてした事ない。



まぁ正確に言うと、できないヘタレ。



こんな時彼女がいたら会いに行ったりするんだろうな…。



拓が羨ましい…。



今頃拓の部屋でイチャイチャしちゃってんのかな…。



なぜか急に虚しさと寂しさがこみ上げて来た。


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