学園奉仕活動
「まあ、おめえ等が良いなら、俺っちは何も言わねえやな。じゃあ、今日は解散だな?」


「え?・・・・・・・・あ、ああ。解散でいいけど・・・・・」


「?・・・・・・・まあ、俺っちは監視役みてえなもんで、指示をする立場ではねえからな。んじゃ解散でぇ」


じろさんは、反応が遅れた俺を変な目で見ていたが、何を問う訳でもなくそう言うと、腰を上げ扉の方へと向かった。


俺はその背中をなんとなく数秒見送り、皆の方へ向き直った。


「んじゃ、俺等も帰――――」


「百太郎!明日、遅刻すんじゃねえぞ!」


背後で、その声と共に扉が閉まる音がする。


「るか」


俺は聞かなかった事にして、言いかけた言葉を最後まで言い立ち上がった。



「そうやな」


「うむ」


ゴリラ、アリスに続き、他の皆も立ち上がり、屋上の扉へと向かって歩き出した。


「それにしても〜・・・・・・」

恋ちゃんが突然、横並びに歩いている俺達を追い越し、先頭に躍り出ると振り返って順に皆の顔を見比べるようにして視線を向け


「ほんと、美男美女が集まってますね〜」


と目を輝かす恋ちゃん。


「そうかい?」


フフっと、親指と人差し指で顎を挟んでみる。


「はい!百ちゃん以外」


ニコニコとそう切り返す、この子猫ちゃん




クソッタレめっ。



「アリス先輩は綺麗で、凛としている御嬢様系です。ロピアン先輩はカッコよくて、シャープな英国紳士系です」


「ん?まあ確かに。かなりハイスペックだよな。どんなパソゲーも持ってこい的なな」

なんたって、女王様に御姉様、王子様に御兄様だもんな。

< 97 / 190 >

この作品をシェア

pagetop