教科書を広げて
恋愛初心者編

お姫様と教科書



ミーンミンミン
ミーンミーンミン



暑い暑い夏の真っ昼間だった。
直射日光を浴びたアスファルトからムンムンとした熱気が上がってくる。


絶え間なく浮かんでくる汗に、張り付くTシャツが気持ち悪い。


ホントついてない。
今日は曇りのち雨だと天気予報で言っていたはずなのに、私が家から出た途端太陽が顔を覗かせたのだ。

見上げる空はもう曇りにも雨にもなりそうになかった。

日傘でも持ってくればよかったと少し後悔しながら先を急ぐ。





後もう少し、後もう少しでつく。



大きな交差点を横切り小さな路地裏に入る。
さっきよりましになった気がしたが、こんな所に用はない。



近道の路地裏を抜け、こじんまりとした商店街にやっと着いた。



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