レンアイ指導室~甘々な指導~【完】
 * * *


「……本多君。いますか?」

私たちだけの指導室に入る――けど、本多君はまだいなかった。


どうしたんだろ……。


「あっ、菅原? 今、来たのか?」

「あ、本多君。はい、そうです」

「悪ぃ。ちと梶原先生に呼ばれてて」

「そうなんですか」

そう言って、本多君は椅子に腰かけた。


「今日は指導しねぇんだ」

「え?」

「……明日さ、遊園地行かね?」

「遊園地……ですか?」

いきなり振られた話題だったから、思わず聞き返してしまった。


「明日はカップルの指導をしようって思ってな」

「へっ!?」

か、カップル……!?


「ほら、男に関しての知識も得られるシチュエーションだと思ったから。……無理か?」
< 31 / 216 >

この作品をシェア

pagetop