レンアイ指導室~甘々な指導~【完】
「はっ……。菅原、大丈夫か?」

やっと終わって、本多君が一息つく。


「……キス。初めてだったか?」

「は、はいっ……」

「だから下手なのか」

「うっ……。ごめんなさい……」

「いや、謝んなくてい。初めてなんだから、当然だ」

本多君は優しく笑うと、私の頭を撫でてくれた。


「おっ。もうすぐ着くな」

窓を見ると、あのきれいな景色はほぼ見えない。


もうすぐ、恋人の指導も終わる。

そう思ったら、胸を締め付けられるような痛みが広がった。


わがまま、だよね……。

まだ、本多君と一緒にいたいなんて。

わかってる。

わかってる、けど。

やっぱり……。
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