少年少女は夢を見る
「元気にしてた?ていうか2年の時以来だよねぇ、話すの」
「そ、だね」
おかしいな、私は演技がこんなに下手だったかな。
もっとうまく笑えるはずなのに、両頬の筋肉がひきつってうまく持ちあがらない。
笑えない、笑えない、この人の前じゃ。
「あれぇ、どぉしたの奈里?なんか元気なくない?」
「あ、ちょっと、調子悪いかも…」
「ほんとにぃー?」
あ、ヤバい、これは。
「もしかしてあの時のこと、根に持ってる?ほら、あんたの好きな人ばらしたやつ」
やめて。
もう、それ以上は言っちゃダメ。
「違うからね?あれはさぁ、他の友達にちょーっと話したら大げさなことになっちゃって。ごめんねー?」
ウザい。
こういうの、一番ウザい。