【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
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ベッドで半寝状態で横になっていたひなを起こし、俺は床に座ってひなの方を向いた。
そして、
「ほら、食えって」
さっき作ったおかゆを、ひなの口元に持っていく。
「自分で食べれ………」
「さっきこぼしそうになったのはどこの誰だ?」
小さな反論は、俺の大きな声にかき消された。
ったく、最初から大人しく俺に食わせてもらってればいいのに。
たった30秒ほど前も同じ会話をし、そのときはスプーンをひなに渡したんだ。
…だが、ひなはおかゆの熱さにびっくりしたのか、口に運んだスプーンをお盆の上に落っことした。
だから今ひなは、渋々俺におかゆを食わされている状況。
「………舜くん、料理上手だね」
ぱくっとスプーンをくわえるひな。
…だから、いちいち可愛すぎ。
「まーな」
淡々とそう言い、またおかゆを掬ってひなの口に運ぶ。
「すっごい美味しいっ」
そんな嬉しそうに言われたんじゃ、俺も素直に頷く他ない。
「ん。どーも」
それが何度も続き、半分くらい食い終わったところで、ひなは胃の限界を迎えたらしい。
「迷惑かけてごめんね?どうもありがとう」
「ごめんね」と「ありがとう」のセット。
…俺は、ありがとうだけでいい。