【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
いいえ、とひなを見ずに言い、キッチンに食べかけの皿を戻してからひなの部屋へ向かう。
さーてと。
そろそろ言わなきゃな。
…ひなは覚えてねーかもしんないけど、俺はちゃんと言った。
『合格発表後、報告がある』って。
…報告っつーかなんつうか…。
俺としては、“家庭教師とその生徒”という枠から抜け出したい。
だから、それを伝えるだけ。
「ひな」
ガチャリとドアを開けると、ぼーっと天井を見つめていたひなが俺に視線を向けた。
なんか、やけに緊張するな…。
「なーに…?」
視線をそらしながらひなのそばに行くと、ひなは不安そうな目で俺を見つめる。
『好きだ。』
その一言をここで言ったら…関係が崩れるか?
ひなの『好き』が、恋愛感情じゃなかった場合…。
俺はもう、ひなのそばにはいられない。
でも、この関係を変えたいんだ。
あわよくば、恋人に。
思えば10年……15年は片思いしてたんだ。
もうこれ以上夢中になれる相手はもういないと思う。
俺は決心し、ひなのすぐそばに腰を下ろした。
「…………俺、ひなが好きだ。だから、付き合ってください」