【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-







勉強はしてるよ、一応。




ただ、“ちゃんと”ではないと思うけど…。




なんて思いながら舜くんがいる部屋のドアへ視線を向けた。




…妙に静かすぎない…?




何かたくらんでたりしないよね…?




扉の向こう側が心配で会話どころではない私に、




『そっかそっか!』




美織ちゃんは嬉しそうに電話の向こう側で頷く。




まぁ、今まで宿題しかやってなかった私が宿題以外の勉強をしてるなんて珍しいんだろう。




それも、宿題だって嫌々やってた。




今進んで勉強してるかって聞かれたら素直には頷けないけど…。




勉強をしてることにかわりはないはず!




うんっと頷いた私は、部屋のドアから目を離した。




「頑張らなきゃ舜く…篠崎さんがなんて言うか……」




……っ危ない、危ない。




舜くん、なんて言ったら美織ちゃんに根掘り葉掘り聞きだされるに違いない。




『大変だね、家庭教師って……。ところでひな、もうすぐクリスマスじゃん?』




舜くんを“篠崎さん”となんとか言い換えられたことと、美織ちゃんが気付いていないことに安堵していると、美織ちゃんがそんなことを言ってきた。




そっか。…って、まだまだ!




夏休み終わってまだ1か月しか経ってない。




…しかも、クリスマスより期末テストの方が先に来るんだからね?




「全然もうすぐじゃないですけど…。美織ちゃん、一体どうしたの?」




あはは、と1人向こうで笑っている美織ちゃん。












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