カンボジアのコト

帰り

「満席なんて、嘘よ嘘。」
高木先生が言った通り、立派にエコノミー席に案内された。
「ほらね。」
飛行機でタイへ移動して、ダラダラして、真夜中に出る飛行機に乗って、日本へ戻ります。
家に帰るまでが旅ネ。
でも、体力限界ネ。
眠いネ。
タイに到着ネ。
ここからが、楽しみネ。
とりあえず集合した所で
「今から、暇だから、レポート書いて。」
皆一瞬で目が覚めてた。
来た。私も去年経験した。
あの衝撃は忘れられない。
言葉の無い人達に先生が言う。
「一応授業なんだから、レポートかテストかが必要だと思うの。単位の締め切りまで、数日なんだもん、帰って提出してたら間に合わないから!」
誰も言葉を発しない。
風呂に入って、揺られて、最高に眠いのよね。
私は、寝るけど。
ゲートには、まだ入れないので、ゲートの前にうずくまって、皆がかりかりとシャーペンをはしらせる。
私は、その横で丸くなる。
ゲートが開いて、中に入ってもまだ、皆はかりかりとシャーペンをはしらせる。
私は、その横で丸くなる。
飛行機に乗っても、皆はかりかりとシャーペンをはしらせる。
私は、その横で爆睡。
朝まで記憶なし。
客室乗務員さんに、ゆすり起こされ、無理矢理朝食を渡される。
が、再び爆睡。
またしても、客室乗務員さんは、私を起こす。
「のーさんきゅー。」
と、つぶやいて、眠りの中に入っていく。
何がノーサンキューなのか、よくわかってないけど、とにかく目があかない。
こうして睡魔と戦いながら日本到着。
ただいも。
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