カンボジアのコト

朝日

雲にかくれた朝日を見た私。
幻想的と言えば、幻想的。
時折、雲の切れ間から、光が差し込む。
大きな木に向かって差し込む光を見ると、その木はとても神聖なものに見えた。
そして、僧服を来た子ども達が、しゅくしゅくと歩いて行く。
でも見たかったのう。朝日。
「まだお腹減ってない?」
サニイが聞いた。
「うん、まだ平気。」
朝、あー腹減った。と目が覚める私は、前もって昨日買ったお菓子達を、朝から食べていたのだ。
「そしたら、今からトムに行こう!」
「アンコールトム?」
「そう!!本当は今が一番良い時間!」
照りつける暑さの中に、観光した記憶しかない私は、
アンコールトムの中に入ってビックリした。
涼しいくらいの、ひんやりとした空気の中に、ずっと姿変わらずにあると思える遺跡が出現する。
シン…とした中に、私達の乗るバイクの音と、
鳥の鳴き声だけが聞こえてくる。
森に迷って遺跡を見つけた…そんな気がする。
あると分かっているのに、驚いてしまった。
途中でバイクを止めて歩きだすと、聞こえてくるのは、鳥の声だけ。
サニィに壁画の説明を聞いたりしながら、進んで行く。
誰も観光客がいない。
サニィもゆっくり説明してくれる。
「前も説明しませんでしたっけ?」
と最初言っていたが、
物語を聞いているみたいで、本当に面白くて、何度聞いても、何度見ても飽きないと言い張る私に、説明してくれる。
で、私の最大と言ってもいい、カンボジア観光の目的は、
「どれが京唄子なの!?」
以前、サニィが笑わせるつもりで、このアンコールトムの顔は、京唄子に似ています。
と言ったのだが、…京唄子って誰ね?と、だだ滑りした。
引率の先生だけが、大爆笑したのだ。
日本に帰って、速攻、京唄子を調べて、はっはーーんワタオニの人ね。と分かったものの、
今度は、似てたっけー??と気になってしかたがなかったのだ。
自分の撮った写真を眺めても、似てないねーと思う。
でも、先生の反応からして似ていることは明らか。
どう似ているか、はっきりさせようやんけ?
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