カンボジアのコト

決意

私は去年、ここで、何もできなかった。
ここは、あくまでも、拷問の施設。
殺してはいけないのです。どれだけ辛くても、死ねないのです。
殺す場所は、この後に行く、キリングフィールド。
だから、ここには、あちらこちらに血の後だったり、苦しんだ後が残っている。
しかも、拷問に使われたものは、学校であれば、おそらく簡単に手に入るもの。
スコップだったり、鉄棒だったり。
そのうえ、ある部屋には、無表情な子どもの写真や、生きることに疲れた目の大人の写真、目に涙をためた大人の写真で、埋め尽くされた部屋。死ぬ前の写真です。
去年は、自分で感情が処理しきれなくなって、中庭のような所に離れてポツンと立っていた。
カンボジアが好きになって１年、
見なければいけないと強い思いのもと、私はここに立っていた。
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