♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「…貴斗!貴斗も一緒にまわろうよ」

「別に、いいけど…」

「ねぇ、美月ちゃん。いいでしょ?」

「うん…」

まっすぐな唯香ちゃんに、あたしもうなずく。

あたしは、瀬戸内と目を合わせることなく名前を書きたした。



「あと一人、男子のほうがいいよね?」

「確かに…」

男子、瀬戸内一人だけになっちゃうし…

あたしは、エンピツを握って教室を見回す。



「みぃちゃん、俺もいい?」

スポーツ少年が、元気に手を上げる。



「…瀬戸内、楠くんもいい?」

あえて健太じゃなくて、楠くんと呼んでみた。

「牧村、知り合いなの?」

「うん、幼稚園一緒だった…」

あたしが楠くんって呼んでも、健太はみぃちゃんだし…

やっぱ不自然だったのか。

恐る恐る瀬戸内を見上げる。



「まぁ、いいんじゃね」

いつも通り、そっけないご回答…

あたしは最後に、楠健太の名前を書いた。
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