♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「では、みなさん。修学旅行のグループを決めたいと思います」

新しい担任は、まだ若い女の先生。

のんびりした話し方のせいか、HRはいつもおっとりした感じになる。

「男女4~5人のグループで、班長と副班長を決めてください。
決まったら、紙にメンバーの名前を書いて提出してくださいね」

修学旅行か…

まだ新しいクラス始まったばかりだけど、関西に行くらしい。

とりあえず、紙とエンピツを持って立ち上がるあたし。



「愛菜、一緒にまわらない?」

「うん、美月なら気が楽だわ…」

「何それ?
あと、誰にしよっか…」

自分と愛菜の名前を書いて、クラスを見回す。



「美月ちゃん、あたしもいいかな?」

可愛い目を細めて、遠慮がちにのぞきこむ唯香ちゃん。

そんな顔されたら、断れるわけないじゃん。

「うん、いいよ」

「よかったぁ。ありがとう」

ニッコリ笑う唯香ちゃんにうなずいて、彼女の名前を書きたす。



「男子、どうしよ…」

紙を持ち上げて、二人の顔色をうかがうあたし。

唯香ちゃんは、嬉しそうな顔で振り返った。
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