恋を知りたくて・・・~君と出会ったベンチ~

彼女と私

  あの光景を見た日からあの場所には行ってない。
  でも教室からみるベンチには竜は毎日いる。
  たまに目は合うけどそらしてしまう。
  やっぱり怖くてもみてしまう。これが恋・・・
  
  そして・・・私にとってもっとも最大に嫌なことがおこった。
  香奈に彼氏ができた。
  相手は香奈が好きと言っていた近藤湊。
  香奈はすごい。好きになったら一直線で追いかける。
結構、恋愛も得意。正直羨ましい。
  “おめでとう”と笑顔でいったものの寂しい。
  だって香奈は彼氏と放課後も一緒。
  帰り道は一気に雨が降り出した気分だ。
一人で歩く帰りは静かだ。
  
  そんな時・・・
「ねぇ!一人?」
  振り返ると学年でもまぁまぁ気の強い女の子が立っていた。
  彼女は近藤歩(こんどうあゆみ)
  そう・・・香奈の彼氏の近藤湊の双子の妹。
  同じ学年だけどクラスは離れてるからあまり知らないし話したこともない。
  「うん。いつも帰ってる子が彼氏できちゃって。」
  「それって、湊と付き合ってる子だよね?」
  「うん。」
  「じゃあさ!これから一緒に帰らない?」
  思いもよらないことを言われた。
  「いいよ」
  自然とそう答えてた。多分一緒に帰る人がほしかったんだと思う。
  「やった!じゃあ美音って呼んでいい?」
  「いいよ。じゃあ歩って呼んでいい?」
  「いいよ」
  呼んでいい?とか自分でいっておいてちょっと恥ずかしい。
  
  それから私たちは普段のプライベートでも遊ぶようになった。
  カラオケに行ったりゲームセンターの太鼓の達人で対決したり。
  そんなある日のこと・・・今日も歩と遊ぶ約束をした。
  集合場所についた。
  「美音~」
  「あっ!歩!今日はどこ行くの?」
  「今日は、私の家に招待しようとおもおって」
  「ほんと!?行く行く」
  友達の家なんて久しぶりでなんだか嬉しかった。
  いつも香奈の家にはよく行くけど最近は行っていない。 
  というか香奈に彼氏ができてからまともに遊んでもいない。
 
  
< 10 / 13 >

この作品をシェア

pagetop