サクラドロップス
「えー!その気にさせといてガッカリですよう」
安藤はタコのように口を尖らせて見せた。
「・・・アンタいくつよ。ほーら、仕事始まるわよ」
カップを拭いて食器棚に戻してから、アタシは安藤の背中を軽くグーで叩き、先に給湯室を出ようとした。
・・・ら。
「あ、待って下さいユキさん、ハイ、これ、飲んでから行って」
と、呼び止められ
後ろ手に隠し持っていたらしい
いわゆるスポーツドリンクって奴を、渡されてしまった。
「アンタ、コレ、わざわざ買ってきてくれたの?アタシが二日酔いで苦しんでると思って?」