碧眼の天姫―刀の後継者
始まりが何なのか…誰も知らない。
「あの化け物は鬼。
鬼は太古から生き続ける異形のもの。その鬼の長をこの鬼葬島に封印したのが唯一鬼と対抗出来る天宮の娘だったの…」
千年は何も言わずにあたしの話を聞いている。
「封印は1000年で壊れる。その封印を1000年後に天宮に生まれた力のある娘は封印をしなければならない。この戦いが遥か昔から続いているの…そして、今年がその1000年目…」
鬼の長が目覚める1000年目の天宮の娘…
「あたしがその1000年目に生まれた力のある天宮の娘…天姫なの」
鬼と戦い、鬼の長を封印する役目を背負った者…
「戦いの中で生きるのが天姫の使命…」
「たとえ…それが使命だったとして……」
千年が急に口を開く。
「美琴ちゃんの家族は何も言わなかったの?」
その言葉にあたしは小さく笑った。
「それを話してなかったね…。天姫は後継者である力のある娘を産む為に何人も、何回も男と体を重ねるの。」
千年は信じられないと言わんばかりに目を見開く。
あたしだって信じられなかった…
自分の出生の秘密を知るまでは…