【完】そばにいるだけで



「うん、まあまあだったね」



思わず笑みがこぼれた。



「どこかで、お茶でもしようか」



桐生くんの提案に、わたしは笑顔でうなずいた。



「どこか、行きたいお店とかある?」



それを聞いて、まただ、と思ってしまった。



桐生くんが決めてほしい。



「桐生くんの行きたいところでいいよ」



「僕はどこでもいいから」



そう言って、また優しく微笑む。



わたしはそれが一番困る。



どうしよう。



どうすればいいの?


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