愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
「姉貴?」


姉貴が怒った顔で、ズンズンって感じで俺に近付いて来た。


「毎日毎日遊び歩いて……。やっとあんたと話が出来るわ」


「話? 姉貴と話す事なんかないよ」


「あたしはあるのよ!」


そう言って姉貴はベッドにドスンと座った。


「何の話だよ?」


「志穂ちゃんの事、聞いたわよ?」


「彼女の話はしたくない」


志穂さんの名を聞いただけで、俺の胸はズキンと痛んだ。


「彼女、不倫してた上に、妊娠して中絶までしたんだってね?」


「だ、誰に聞いたんだよ?」


おやじか?
おやじの奴、そんなに口が軽いのか?


「本人よ」


「へ? 会ったのか? いつ?」


「そんな事よりあんた、危うく騙されるところだったわね?」


「はあ?」


「綺麗な顔して、うちの財産目当てだったのかしらね?」


< 193 / 220 >

この作品をシェア

pagetop