お嬢様の秘密
-真理亜side-


会場の前の人ごみの近くに葵様がいらっしゃるらしいから少し離れたところで様子を見ていた。


あの人ごみから外れた女、それを拾ったのはほかでもない葵様。


にしても....。


何なのよ、あの女。


私の葵様を奪っていって。


....もしかしてあれがユリ?


「真理亜様。」


「どうしたの?」


話しかけたのは理穂。


目が普通ではない。


「わかったわ。移動しましょう。」


私は理穂とジャックを後ろにつかせ目の前の人だかりの間をくぐった。


ふん。


私がやっぱり一番ね。


私が通れば誰だって道を開けてくれる。


恭しく礼つきで。


あの女に葵様を取られてたまるもんですか。




私たちは人気のない場所へ移動した。


「で、理穂。何の用かしら?」


「あの。私のアーチェリーの腕を使って、昨日のパーティーでユリの右足に針を刺したのです。しかしなぜか今日は少し歩けるほど快復しております。
あの薬はちょっとやそっとでは治らないように多めに塗ったはずなのに....。」


原因は簡単。


目の前のこの男。


「ジャック。あなたが手当てしたでしょ?なんで放っておかなかったのよ?」


医者として腕は簡単には並ぶことが出来ないと言われている。


「確かに私はお嬢様の執事でありますが、まず一人の人間として、この学園の医務でもあります。」


ジャックはあくまでも誰かが怪我したときは執事業ではなく、医者として専念するらしい。


「もう....。」


せっかく葵様と踊れると思ったのに。


あの女....目障りね。


-真理亜side end-


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