お嬢様の秘密
「只今これよりペア変えといたしましょう!では、今宵をお楽しみください。」


会場が一斉に動き出す。


そばで控えていたオーケストラがなだらかなメロディーを奏でる。


「葵....。」


「どうした?」


「私と…踊ってくれませんか?」


「他の女と手を繋ぎたくねぇし。そんな気はおきねぇな。」


葵は私に手を差し出した。


「Shall we dance?」


私しか見れない、葵のいたずらっ子のような眼。


もちろん返事は決まってる。


「OK.」


2人で手を取り合って音楽にのせてステップを踏んだ。


やった....!


昔、男嫌いだったことを忘れさせるくらい嬉しかった。






と、喜んでたのはつかの間。


めっちゃ綺麗な女の人がが近づいてきた。


私達がいるのは会場のど真ん中。


ベストカップル賞の組は真ん中からはじめるんだって。


そして真ん中は葵と、美女がいるから目立っている。


「なんか用?取次は1ヶ月後なら許すけど。」


葵が女の人を上から見下ろし、冷たい口調で淡々と話す。


「あら?いつものキャラと違うのね。」


余裕そうな笑みを浮かべる美女。


会話が聞こえているのは私達3人だけ。


なんか今の葵怖い....。


遠くからはシルバー様がこちらの様子を伺っている。


目立つから自然と気にかけてくれたのかもしれないけど。


バレたらヤバイ気がしそうな会話だよね?


2人の雰囲気がそう物語っている。
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