お嬢様の秘密
「なんで、あなたに私の秘密を話したのかって?」


ずばり考えていることを当ててくる。


今の私は図星って顔をしてるんだろうな。


「それは時期が来たら話してあげるわ。」


「はい。」


いつもはぶらかされる。


時期って一体何の時期?


「さっ!もう寝なさい。国松!ユリさんを隣の部屋に運んでちょうだい。ついでに理央もここに呼んどいて。」


「かしこまりました。」


と言うが同時にフワッと体が浮くような感じが....。


私はいつの間にか車イスに乗っていた。


「じゃあ頼んだわよ。ユリさん、今は気にせずゆっくりしなさい。この学園は冬休みの始まりは一般の学校と変わらないけど授業は今月で終わりだから。」


そうなんだ。


「あなたはしばらくここで治療しなさい。」


「あ、ありがとうございます。」


って言ったのが先か分からなかったけど、いつの間にかベッドに寝かされていた。


「ユリ様。何か御用でしたら部屋の外に待機しているメイドを使ってお呼びくださいませ。すぐに参ります。」


「はい。」


なんかありがたいな。


ただの庶民に手を差しのべてくれて。


たまには人を頼ってもいいのかな.....。


でもいつまでもここで長居させていただくわけにはいかないよね。





しばらくしたら理央が来た。


そういえば何も言わずに出てきたな...。


言ってる暇なかったのもあるけど。


「お、お嬢様!どこにいらっしゃったのですか!?舞台の中央で葵様といらっしゃったのでは?」


「それは....。」


話したくない。


いや、話せないんだ。


真理亜様に誘われていた葵に怒りがきて逃げたって。


誰にも話す気はない。


「理央。あなたがユリさんから目を離したのも悪いでしょう?いくら係があっても、あなたはホールだったじゃない。

執事は主人をいつも気にかけておくもの。初心忘れるべからずよ。」


厳しいお言葉が飛ぶ。


「お嬢様。私の責任でございます。申し訳ございませんでした。」


「そんな....頭を上げてよ。私が悪いんだから。」


「理央。そう言ってるんだから頭をあげなさい。」


やっと上げてくれた。


そうか....。


私の身勝手な行動でここまで人に迷惑がかかるんだね。


忘れてはいけないことだったのに....。
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