ツタエタイ
集中治療室前
静まらない心臓の音に苛立つ。
何時間が過ぎたのかわからない…未だに月は出てこない。
“…き……葉月?”
これは夢か?
目の前に月が立っていた。
「月!!大丈夫なのか?」
「私ね…葉月に一番言わなきゃいけないこと言ってなかった」
抱き締めようとした瞬間
″スカッ″
月を通り抜けた。
「ごめんね葉月…」
悲しい顔なんて見たくない。
「笑え。俺の横で一生笑ってろ…」
「……そうしたかった…でも……私は汚いから…葉月みたいに「何が“汚い”だよ。汚いの基準を自分で決めつけんな…月は俺の前じゃ綺麗だったよ。俺だって昔は遊んでたよ性欲のはけ口にした時期だってあった。最低なんだよ」
私のしてきた事を浄化してくように葉月は自分の過去を話した。
「誰にだって“汚い”自分見せたくないけど月がそれで負い目を感じてるんなら俺が一生かけて洗い流してやるから…「……ん…崎さん!!」
看護師に呼ばれていた。