カーソルの下のラブレター
「あれ、歩? 久しぶりー」
去年同じクラスだった友達があたしに気づいてくれて、どうしたの? なんてニコニコ笑う。
渡辺さんって、いる? と訊くと、
「渡辺? 何でまた」
いるけど起こしたくない。という、よく分からない返答がきた。
「あそこにいる。絶対機嫌悪いから、起こすなら気をつけて。じゃっ」
彼女が指し示したのは、廊下側から2列めの1番後ろ。
起こしたいなら自分でよろしく、と逃げた彼女を見送ってから、そっと教室に入り込む。
渡辺、くん、だったんだ。
男子だったことに若干驚きつつ、机に突っ伏し睡眠中の、彼の肩をつついた。
「……何」
うわホントだ。
機嫌悪っ。