運命
ビュンビュンっと風が吹いている。


いまだに光は墓石を見つめ空のことを考えていた。


俺が弱かったせいで、空は''死んだ,,

俺のせいで空は''死んでしまった,,

空が死んだのは自分のせいだと、自分自身を責める。


(きっと空は優しいから、俺のことを責めないだろう。
だけど…だけど…



自分が“許せない”…。)


墓石を見ていると空が笑っているようだった。


いきなりでてきていつものように、乱暴に頭をなでてくれるような気がした。

だけどもう

”会えない”

ぽたっ

自分の膝の上に涙が落ちた。



「あれっ?」


ごしごしと自分の顔を擦る。

だけど次々に涙がこぼれおちる。

(ダメだなぁ、
もう泣かないって決めたはずだったのにー。)




コツ


音がしたー。


くるっと音がした方向を振り向くとそこには一人の男がいた。

同い年ぐらいだろうか?
180cmぐらいはあるだろうとても背が高く、整った顔立ちをしている。

瞳はすべてを見透かされているような綺麗な透き通った青色、髪は黒くツンツンと毛先が立っている。


光はゴシゴシと顔を擦り立ち上がる、そして泣き顔を見られないように下をむきながら男性の横を通りすぎた。



「あの子はー。」

光が走っていった方向を見て意味ありげな言葉を漏らす少年。


彼は一体?



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