運命
次の日



「はぁ〜」

木々が生い茂る通学路を光は歩いていた。


うかない顔をしながら溜息をもらしている。



(昨日お墓で見ず知らずの奴に泣き顔を見られるなんてー、

”一生の不覚”)


気にしていることは昨日のことのようだ。


「はぁ〜」

再び昨日のことを思い出し溜息をもらす。


バン
?「溜息してると幸せ逃げるぞ!」

いきなりおもいっきり背中を誰かに叩かれる。
「ごほっごほっ るなぁ」
あまりにもいきよいよく叩かれてむせる。


振り返ってみると月がいた。

どうやら犯人は月のようだ。

「アハハ、ごめんって」

顔の前で両手を合わせて申し訳なさそうに謝る月。


「別にいいって」


前を向き直して歩きだした光。
月はその後を追うように光の横に並んで歩きだした。

「そういえばなんで溜息ついてたの?」



「う…ん ちょっとな」


月の問いに答えずごまかす光であった。
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