モノクロの音色よ鮮やかに響け
「明日行ったら、何より先に謝ります」
私はそう言って、相談にのってくれた大滝さんにも謝って、お礼を言った。

大滝さんはニッコリと笑って
「川畑さんは気難しいかもしれないけど、保険のきく範囲を超えた分も残業の分も、自費で出してくれる太いお客さんだから、気を付けて頑張ってね」
と言って、私はその言葉にショックを受けた。
大滝さんにとっては、介護はビジネスなのだ。

センターを経営している以上、仕方ないのかもしれないが、私は自分の川畑に対する思いと、こんなに温度差があるとは思ってもみなかった。

私と川畑の関係も、所詮、仕事でしかないのだから、と言外に釘を刺されたような気がした。
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