傍観少女の世界

告白現場

朝霧悠飛と会話して三日がたった。

彼は何を思ってか、いつも自分を取り巻いているクラスメイトを押しのけ、私に話しかけるようになった。

私としては、迷惑だった。

彼にじゃなく、彼を優等生しか見てなくて、彼のルックスに惚れた女達の視線に対してだ。

そう、朝霧悠飛は世にいうイケメンだったりする。

私には全く興味が無い事だったりするのだが、嫉妬を抱いた女達の視線は体に突き刺さってくる度に頭痛がしたりする。

やはり、迷惑な女達である。

そして、私はクラスメイトに女達にゴミを捨てて来る様に言われた。

掃除当番だった私は当たり前の様にゴミ捨て場に向かうので、彼女等は更に苛ついたようだった。

と言うか、掃除当番にゴミ捨て場にゴミを捨てに行けは当たり前の言葉だろう、と私は思っていたりする。

ともかく、私は焼却炉までゆっくりと校舎裏を歩いていたと言って置こう。

けして、人の告白現場を覗くつもりでは無かったと弁解する。

「好きです‼ あの、良かったら、私と付き合ってください‼」

告白しているのは隣のクラスの委員長だった。

そして、相手はやはり優等生と言われる朝霧悠飛だった。

「悪い。俺、今誰とも付き合う気が無いから。」

「・・・」

委員長は泣きながら頭を下げて、走り去って行った。

私としては焼却炉に行くつもりだったのだが、少し寄り道してみようかと思って朝霧悠飛に話しかけてみた。

「やぁ、朝霧悠飛。」

「おわぁ‼・・・八神かよ。」

後ろから話しかけたら、びっくりしたようだ。

「君、毎日何回、告白を断わっているんだい?」

「いや、普通聞くか?」

「うむ、私は興味本意で聞いてみたのだが、ずばり、三回だと言おう。」

答えてくれなさそうだったので、当てずっぽうで言ってみたら、彼の顔は驚きに満ちていた。

「まぁ、私には君がいくら告白されて、いくら断わっても関係が無いんだがね。」



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