Tricksters




「仮にも内閣総理大臣への発言としては不適切でした。


私たちは内閣府直属の人員です。


ただ……私たちも真部所長代理の意見に激しく賛同したいと思います」


「私も、淳一くんナイスよ。ゼンの女関係清算させるには何年かかるのよ。って話よね。

さあ、引っ越し中に片付けられなかった分のお仕事しましょう」


佐藤さんたちは、頷くと所長室から出て行く。


アイツは、床を睨み付けたまま動かない。
両手の拳は強く握られて微かに震えている。



「ゼン……」


この景色が良くて明るいオフィスは、あまり似合わない奴だな。
ゼン所長には、あの地下のオフィスがよく似合っていた。




「ユカリ、あれを持ってこい」


低い声から、アイツの怒りが伝わる。
父親に嫌われたくないのか、理想の息子を演じてるのか、どちらにしても普段のアイツの行動を考えれば激しいストレスを感じてるに違いない。




だからって……




「はい所長。生け贄もっぷちゃん」


「っ!?」









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