Tricksters
近すぎだよ。
コイツどんだけ俺の事、好きなんだよ。
俺は何の疑いもなく、その椅子に座った。
カシャン
カシャン
「げっ?」
一度聞いたことのある音がして、体が椅子に拘束された。
俺の椅子だけ、びっくり椅子かよ!
「またかよ! 外せ! 善太郎」
長い足を組み替えて憂鬱そうにため息を吐き出したアイツ。
その横顔は、オフィス街を眺めていた。
「ほんと、淳一は単細胞で騙し甲斐がある」
「まさか、おまえ
俺もあの生け贄もっぷちゃんと同等の扱いか?」
拘束具を外そうと暴れてみても、カシャカシャと無駄な音がなるだけだ。
前回も鍵がないと外れなかった。
「生け贄じゅんちゃん?
言われてみれば、そうかもしれない」
肘掛けに頬杖ついて、俺に流し目を送るゼン。
「そうかもしれないじゃねーよ!
俺は、おまえの言いなりになんかならないし、捕まりに来たわけでもない!」
渾身の睨みでアイツに挑む。
「じゃあ、何をしにきた?」
「おまえが待ってると思ったから……
このTrickstersには、俺が必要だと思ったから!」
本音は、ここにもう一度戻ればゼンを信じることができると思ったから