ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
動き出した彼が外に出ようと
していると気づきあわてて
叫ぶと、柚木クンはクルリと
あたしを振り返って、


「心配しなくても、明日は
ちゃんと出勤する。

さすがに電話とかだけで
済ませちゃ失礼だからね」


「違っ……そんなことを
言ってるんじゃ……!」


そうじゃない。

明日会社に来るのかなんて、
そんなことを心配してるん
じゃない。


だけど、それ以上の言葉は
出なくて。


「――だから、そんな顔
しないで、美咲」


非常識なことばかりを
吐いてきた口でそんなことを
言うなんて、反則だ。

いつもいつも、反則ばかり。


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