ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
右の耳元で、少しくぐもって
そう聞こえる。


(大好きな顔? 
どういうこと?)


疑問を口にするタイミングも
ないまま、唐突に柚木クンの
体があたしから離れた。


そのまま柚木クンは一歩
後ろに下がり、あたしと
距離をとる。


恐る恐る見上げた彼の顔は、
悲しげな笑いを浮かべていた。


「最後の夜はムリそうだな。

さすがに冷静に過ごす
自信がないよ」


自嘲的にそう言って。


柚木クンは素早く周囲に
目をやると、ソファの背に
かけておいたジャケットと
コートをつかんだ。


「ちょっ……どこ行くのよ!?」


_
< 303 / 469 >

この作品をシェア

pagetop