ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
17 取り残された心の、扱い方
     ☆☆☆☆☆



柚木クンは連絡もないまま、
始業10分前に始まる朝礼に
遅刻してきた。


『すみません』とだけ謝って
途中参加した柚木クンは、
朝礼が終わるとすぐに
大竹課長の席に歩み寄る。


奈々は少し驚いた顔をした
けれど、遅刻の理由を説明
しに行ったと思ったようだ。

『何かあったのかな?』と、
軽く首をかしげただけだった。


だけどあたしは、周囲を
気にしながらも、彼の姿を
目で追わずにはいられない。


夕べは一睡もできなかった。

柚木クンの残していった
言葉が、今も頭の中で巡ってる。


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