ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
……それからしばらく、
課長と柚木クンは部屋を
出てこなかった。
二人を気にしながらも、
こちらは仕事を始めないと
いけない。
お客様を迎える時間になり、
接客に入る部下を送り出し。
オフィスには、チーフと
数人の社員が残るだけになった。
静かになった空間で、
あたしは成績管理用の
書類を手にしながらも、
落ち着かない。
よほど態度に出ていたのか、
隣からおもむろに声がかかった。
――奈々だ。
「どうしたの、美咲?」
「えっ!?」
ビクッと肩を弾ませた
あたしに、奈々はさらに
怪訝な顔をして、
「なんか様子変だけど。
体調でも悪い?」
_
課長と柚木クンは部屋を
出てこなかった。
二人を気にしながらも、
こちらは仕事を始めないと
いけない。
お客様を迎える時間になり、
接客に入る部下を送り出し。
オフィスには、チーフと
数人の社員が残るだけになった。
静かになった空間で、
あたしは成績管理用の
書類を手にしながらも、
落ち着かない。
よほど態度に出ていたのか、
隣からおもむろに声がかかった。
――奈々だ。
「どうしたの、美咲?」
「えっ!?」
ビクッと肩を弾ませた
あたしに、奈々はさらに
怪訝な顔をして、
「なんか様子変だけど。
体調でも悪い?」
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