ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
そして名残惜しそうに体を
離すと、リビングから奥に
続く部屋へと移動し、中に
入っていく。


すぐに出てきた彼はコートを
来て、ペットケージを
持っていた。


「ファズ? そこにいるの?」


「あぁ。昼寝中」


「そっか。ていうか、
他の荷物は?」


「別にいらない。ここに
ある物で持っていきたい
物なんて、何もないよ」


そう即答して、柚木クンは
笑った。


そうして『ちょっと待ってて』
と言って一度ペットケージを
床に置くと、壁際にある
棚へと歩み寄る。


引き出しを開けて取り出した
のは、パスケースのような
掌に収まる小さな物。


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