ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「…………?」


あたしが不思議に思いつつ
見守る前で、柚木クンは
その中から紙片を抜き出し……

そして一呼吸つくと、一気に
それをビリビリとふたつに
破いた。


「ちょっと……何してるのよ、
それ?」


少しだけ不安になって
尋ねると、柚木クンはそれを
近くのゴミ箱に投げ込んで、


「ん? オレなりの、決別」


「柚木クン……」


詳しいことは全然わからない。


でもその表情が、今まで
見たことがないくらい
晴やかで眩しかったから、
あたしはそれ以上は何も
言わなかった。


「――じゃあ、行こうか」


再びケージを持ち上げて、
柚木クンが笑う。


「――――うん」


ゆっくりと頷いて、あたし
達は肩を寄せ合ってその
部屋を出た――…。






     ☆☆☆☆☆


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