執事の恋人~召しませ。お嬢様~
その特権を大っぴらに誇示するコトは無かったが、心の中に抱く優越感はたまらなかった。



春華が学園に入学して、俺の世界は脆くも崩れてしまった。



生まれながらの裕福な家庭で育った坊ちゃまたちは、女子生徒たちを独占していた俺を、蔑んだ。



『王子様』は容姿だけで、俺には何もない。



それが嫌で、離れていった女生徒たちもいた。


夜伽を始めて、1ヵ月ーーー・・・



日に日に、俺の春華の対する想いは強まるばかり。



俺の身体の中に春華の存在が深く刻み込まれていた。






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