HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
体育教師が覆いかぶさってくる。
前にも同じことがあった。
あれは―――保健医だ。
『水月に近づくな』
そう警告されて、でも―――あいつには警告以上の感情はなかった。
だけど体育教師は違う。
やだ
水月―――!!
心の中でそう叫んだと同時だった。
「やめろ!何をしてるんだ!!」
誰かの……男の、怒鳴り声を聞いて、
ぐいっ!
突如体育教師の肩を強く引き、体育教師があたしから遠ざかっていった。
「鬼頭さん大丈夫!」
もう一人……女の子の声も聞こえて、あたしはその子に助け起こされた。
体育教師の肩を掴んで、見たこともない険しい表情を浮かべていたのは
久米で―――
あたしを助け起こしてくれたのは、
森本さんだった。