HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
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「悪かったってぇ。ってか何で俺が謝ってんだよ」
門扉をしめて保健医がスタスタと前を歩くあたしを慌てて追いかけてくる。
登校の時間だ。
学校も同じだし、途中まで一緒に行くことに決めた。
決めたけど、ちょっとウザい。
「あたしの裸を見た罪は重いよ?100万用意して」
「アホか、ヤってもねぇのに100万なんてぼったくりもいいとこだ」
「ヤったらいいのかよ」
思わず振り返って眉を吊り上げているときだった。
「雅!―――…と、先生……?」
隣の家から乃亜が出てきて、あたしたちは揃って声のした方を見た。
あたしと同じ制服を着て、鞄を肩に掛けている。
乃亜もこれから登校するようだ。
あたしたち二人を見て怪訝そうに眉を寄せていた。
「先生……どうして?雅の家に泊まったの?」
「…あ、ああ。昨日色々あって…」と保健医もどこまで喋っていいのか分からないと言うように言葉を濁す。
ぐいっ
あたしは保健医の腕を取り、その腕に自分の手を絡ませた。
ぴったりと寄り添うと、
「あたしたち、こうゆう関係だから」
と冷たく言い放った。