可愛くない同居人。
ーーーside 薫
なんとなく一人になりたくて、人混みを避けるように、神社に向かった。
うつむきながら、一段一段、踏みしめるように階段を上がる。
祭りは楽しかったはずなのに、気分は落ち込んだままで、ため息まででてくる。
原因は、きっと・・・
「おばさん」
ハッとし、顔を上げると、凜がいた。
凜を見た瞬間、心の奥底がズキっとして、痛い。
私は逃げるように慌てて階段を下りはじめた。
凜が追いかけてくるのが分かり、さらにスピードを上げようとしたら、
「うわっ!」
段を踏み外してしまった。
ダメだ!転ぶ!
目を閉じ、体が一瞬宙に浮くのを感じてから、階段を勢いよく転がり落ちた。
不思議と、あまり痛みを感じなかった。