可愛くない同居人。
「痛っ・・・もっと上手にできないんですか?」
「男の子なんだから、我慢できるでしょ」
「性別は関係ないと思いますけど」
なんとか家にたどり着き、応急処置のようなものだが、やらないよりはいいだろうと、治療を施す。
たくさん擦り傷ができたりしているが、幸運なことに大きな怪我はしてなくて、ひとまず安心した。
凜は呆れた顔をし、大げさなため息を一つついた。
「まったく、あなたみたいに鈍臭い人が浴衣姿で走ったら、どうなるか分かるでしょうに」
「私のせいで・・・ごめんなさい」
私のせいで、凜が傷ついてしまった。
私のせいで、凜が痛いおもいをした。
私の、せいで・・・。
「浴衣」
「え?」
「・・・綺麗、です」
凜は顔を赤くして私から視線を逸らし、つぶやくように小さな声で言った。