可愛くない同居人。
「ねぇ、凛」
優しく、言葉をかける。
凛の不安を少しでもぬぐいたい。
そんな想いをこめて。
「私、何にも知らないけど、きっと、凛は悪くないよ」
凛は驚きの表情をし、私に視線を戻した。
「謝らなくていいんだよ」
青い瞳が静かに揺れる。
「もし凛を痛めつけるやつがいたら、私が凛を守って、痛い思いから解放してあげる」
月に照らされ、いつもよりも幻想的な瞳。
「私が凛を守ってあげる」
凛の瞳から、涙が零れ落ちた。
「凛!?」
突然のことで驚き、慌ててハンカチを取り出そうとポケットを探ったが見つからない。