可愛くない同居人。
一気に視界が真っ暗になり、騒がしかった廊下が遠くに聞こえるぐらい、お化け屋敷のなかは静かだった。
なんだか空気がひんやりしている。
「凛、行くよ」
入ってしまったのだから、出口を目指すしかない。
「凛?」
「・・・」
あれ?どうしたんだろう?
「り・・・ひぎゃあああ!?」
誰かに思いきり腕を掴まれた。いや、腕に抱きつかれた。
振り払おうとしたら、腕に抱きついている人物?が震えているのが分かった。
・・・もしかして。
「凛、なの?」
「・・・は、早く出口にむかって下さいよ」
やはり凛だった。