可愛くない同居人。


教室の中から、悲鳴が聞こえ、列に並んでいるだけでもワクワクする。


「・・・本当に入るんですか?」

「もちろん!私お化け屋敷大好きなんだよねぇ」


遊園地とかに行ったら絶対にお化け屋敷に入る。

さっきまでベビーカステラを食べていた凛の手が止まった。

「あなた一人で入って下さいよ」

「なにが楽しくて一人で入らなきゃいけないのよ?あ、わかった!凛怖いんでしょー?」

「こ、怖くなんかありません!お化け屋敷は子供っぽいから嫌いで、入りたくないんです!」

「あんた子供じゃん!」

「おばさんよりは大人です!」


ぎゃあぎゃあもめていると「次の二人、入って下さーい!」さっきのお化けくんに中に入るよう言われた。


「僕は入りません」

「ここまできたんだから入らないと!」

「絶対嫌です」

頑なに拒否する凛。うーん、困った・・・。

「後ろつっかえるんで、入った入った!荷物は預かりまーす」

お化けくんは手馴れた手つきで荷物を奪うと、私と凛の背中を押し、無理矢理教室の中に押し込んだ。
< 62 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop