可愛くない同居人。
教室の中から、悲鳴が聞こえ、列に並んでいるだけでもワクワクする。
「・・・本当に入るんですか?」
「もちろん!私お化け屋敷大好きなんだよねぇ」
遊園地とかに行ったら絶対にお化け屋敷に入る。
さっきまでベビーカステラを食べていた凛の手が止まった。
「あなた一人で入って下さいよ」
「なにが楽しくて一人で入らなきゃいけないのよ?あ、わかった!凛怖いんでしょー?」
「こ、怖くなんかありません!お化け屋敷は子供っぽいから嫌いで、入りたくないんです!」
「あんた子供じゃん!」
「おばさんよりは大人です!」
ぎゃあぎゃあもめていると「次の二人、入って下さーい!」さっきのお化けくんに中に入るよう言われた。
「僕は入りません」
「ここまできたんだから入らないと!」
「絶対嫌です」
頑なに拒否する凛。うーん、困った・・・。
「後ろつっかえるんで、入った入った!荷物は預かりまーす」
お化けくんは手馴れた手つきで荷物を奪うと、私と凛の背中を押し、無理矢理教室の中に押し込んだ。