天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
そんな風に盛り上がる三人の会話を。

「…………」

随分前の席に座っているイリアが、無言で聞いている。

ピクピク動くネコミミ。

これは只の飾りではないのだ。

「月様、八鶴君達が何やら怪しげな作戦を練っているようですが…」

「あら、そうですか?」

コロコロ笑いながら月が言う。

「全く…あれ程言ったのに…まぁいいでしょう、交際程度なら私も反対はしません。ただ相手があの破廉恥極まりない雛菊さんですから…間違いがあってからでは遅いですしね」

月の瞳が細まる。

「騒ぎを起こすようでしたら…」

グジャッ!

彼女の手の中で、空の紙コップが握り潰された。

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