天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ
困った事は困った。

しかし。

「……」

月は七味カフェオレを飲んで失神寸前の出麼、真菜、チカを一瞥する。

「仕方ありませんねぇ…」

ほぅっ、と溜息。

イリアは思い込みが激しいものの、素直で純粋な少女だ。

無垢で純真と言ってもいい。

こんな少女が、可愛いもの好きとはいえ入手の為には手段を選ばないこの三人の内の誰かのものになれば、色々と問題が起きるかもしれない。

(これはイリアさんの身を守る為、身を守る為…)

あまりに可愛らしい瞳で見つめられ、ネコミミをピコピコさせるイリアによくない感情を起こしそうになるのを自制しつつ。

「私の指示には必ず従って下さいね?勝手な真似などしないように」

月は渋々イリアのメイドとしての同行を許可する。

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