君のためにできること
「なあ、最近ちゃんと飯食ってるか」


「食べてるよ」


となりであくびをしながら、なつきはコーヒーを飲んでいる。


今日はなつきの誕生日。俺は食事に誘った。食事をするために店を予約した。有り金をはたいて買ったプレゼントは、まだ、俺のわきに置かれている。


「最近、なつみからメールこないの?」


「こないよ」


俺はため息をついた。なつきのことも心配だけど、もうひとつ心配事を抱えていた。


それは、





このメールを送るたびに、私の存在も薄れて行き、消えてしまいます。





このことが気になっていた。


なつみの存在が消える。それが事実だとしたら、もう、俺にメールを送ることはやめて欲しかった。


「ねえ、優。私思ったんだけど、そのメールって内容を声にだして私に教えられるよね?」


「うん」


「ということは、いい商売になるね」


「・・・どういう意味だよ」


「別に。占いでもすればいいんじゃない」


「お前、まだ疑ってるだろう?」


「だって信じたくても信じられないよ!死んだなつみからメール来るなんてことありえないもん」


俺はしばらく考え込んだ。


そうだった。信じてもらえるわけないんだ。


こんな馬鹿な話し、何か確証たるものがなければ、信じてもらえるわけがない。


俺はしばらく悩み、思いついた。


ただ、あまり気が進まなかった。


「・・・・・・じゃあ、こうしよう。お前の秘密をなつみに訊いてみよう」


「え?」


なつきは目を丸くして、俺を見た。
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