君のためにできること
なつみへ


今日はなつきの二十三才の誕生日だ。お前が生きていれば同じ年だね。


すまないけど、お前が知っているなつきの秘密をできるだけ教えて欲しい。


とびっきり、面白いやつを頼むよ。


・・・初めてメールを返信したけど、お前の迷惑にならないか、とても心配だ。


今でも、思い出すよ、お前の泣き顔。俺が、告白した時のお前の顔も、今にも泣きそうだったね。


泣き虫のお前はよく一人で泣いていた。なつきといると、お前を見ているようでたまらなく切なくなる。


なあ、なつみ。


俺は今どうしたらいいんだろう?


お前を忘れることなんてできない。したくもない。


お前の存在が消えてしまうとは、一体どういうことなんだ?


緊張して、まともにメールの内容が書けないよ。お前に言いたいことや、訊きたいことが山ほどあるのに、いざメールにすると、頭に浮かんでこないんだ。・・・おじけづいてしまうんだ。


そんな自分が臆病で、憎らしくなってくるよ。


つまらないメールでごめんな・・・。
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