君のためにできること
昼下がりの病室は、太陽の光が窓から少しだけ漏れてくるだけで、冷えきっていた。


「なつき。お前無理してないか?」


「何で?」


「お前を見てると、俺に対して強がってるみたいに見えるんだよ」


「そんなことないよ・・・」


「つらい時はつらいって言えよ?」


「・・・私は優に心配かけたくないだけだよ」


なつきは、目を伏せ、シーツを強く握り締めた。



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